歯は矯正装置によって力をかけられると、骨の吸収と再生が繰り返されて、徐々に移動していきます。歯の動くスピードは1ヶ月に1ミリ程度です。早く動かすと歯の根や骨にダメージを与えてしまうので、矯正歯科医がその都度スピードを計算しながら、少しずつ継続的に力を加えていきます。
矯正治療がどのような仕組みかを理解すると、患者さんも前向きに治療に臨んでいけるのではないかと思い、当院ではこのように図を使用して、矯正治療中の歯が動く仕組みをご説明しています。
抜歯した後、3番目の犬歯を動かそうという力がかかっています(矢印の方に歯を動かします)。
引っ張られた方の骨が吸収されていきます(赤い部分)。
骨が吸収されて歯が動き出しました。
引っ張っている方の反対側には歯と骨の間に隙間(白い部分)ができます。
新しい骨(青い部分)が少しずつ作られていきます。
歯が動いてできた隙間が新しい骨で満たされ(青い部分)、この地点までの歯の移動の完了です。
ワイヤーの歪みが戻される力を使って矯正の力をかけていきます。
ワイヤーの歪みが真っ直ぐになって歯並びが整いました。
矯正治療後に後戻りすることには、まだ謎も多いのですが、確かなことが2つあります。
1つは、治療前の歯並びの状態が悪ければ悪いほど後戻りしやすいこと、
2つ目は、治療後に保定装置を長く付ければ付けるほど後戻りする割合が少なくなっていくことです。
加えて、科学的根拠はありませんが、私の治療の経験では、悪い歯並びでいる時期が短いほど後戻りしないように感じます。
つまり、歯並びの改善も他の病気と同じように早期発見、早期治療をしたほうが良いと思われます。
リテーナー(保定装置)は、最初は異物感があるかもしれませんが、長く使っているうちに当たり前になり、逆に付けないで寝てしまうと、朝起きた時にへんな感じがするので使い続けたいという患者様もいらっしゃいます。
ここまできたら、しめたものです!中には、治療後10年以上経っても使い続けていただいている患者様もいらっしゃいますが、そのような方々はやはり歯並びの安定も良いです。
矯正治療は自費診療になります。治療費はこちら
矯正治療のリスク・副作用 | 装置を装着した時や調整した際には、痛みを生じることがあります。 装置に慣れるまでは、発音しづらい、舌の動きがスムーズにいかない、装置があたって口内炎ができるなどのケースがあります。 |
---|